1-6で求めた分布は離散分布であるから、変数の値が の時しか意味を持たない。定額の場合と同様に、この分布を連続分布に変換することを考える。定額の場合と同様に、株価の上昇した期間数を とすると、 は二項分布する ので、その二項分布を正規分布で近似し、さらにその定義域を変数変換す ればよい 。
定率の離散分布は二項分布の確率変数 を、上昇回数が 回だった場合の株価 に代えた分布である。
試行回数, 確率 の二項分布 は、平均 , 分散 の正規分布 で近似できる。この性質を使って を変数変換する。
確率変数の変数変換においては、一般に次の性質が成り立つ(再掲)。
1-2節でみたように、を 平均 分散 の 正規分布とすると、 二項分布を近似する正規分布 の確率密度関数は、
である。この 変数 を
である で変数変換する。 について解けば、
となるから、 の確率密度関数は
変形すると、
これが、求める(連続)確率分布の式である。実はこれは 、 対数正規分布
の式に他ならない。
*1:は自然対数とする。以下同じ。