確率1/2 で 倍か 倍になる株に、資産の定率 を賭けることを繰り返した場合、分布の
- 平均値は が大きいほど大きくなる
- 中央値は =0.5のとき最大になる
- 最頻値は =0.17のときに最大となる
ということを見てきた。
下のグラフは、、 、 で を 0 から 1 まで変化させた場合の各代表値の変化を示したものである。 1 日の変動幅が 2% の株に対して、資産に占める株の比率がになるように売買することを毎日繰り返した際の、1 年後 の総資産の分布の 平均値、中央値、最頻値の様子である。
中央値のグラフは𝑥=0.5でピーク値約 1.012 、 最頻値のグラフは約 𝑥=0.17でピーク 値約
1.004 となる。1 日に 2% 変動する株でリスクをとっても、倍か 倍になることによる利益は 1 年で 1% 前後とわずかなものである。
このグラフだけを見ると、値が最も大きい平均値を最大にするのが好ましく見えてしまうが、実際に確率分布のグラフを描いてみると、様相は異なる。下は、 、 、 とし た 、0.17、 0.5 、 1 での確率分布(対数正規分布)
のグラフである。
が大きいほど分布は広がる。
分布の重心(平均値)は のとき最も右側にあり、
グラフの面積を二等分する線が最も右による (中央値)のは のとき、
分布 のピーク が最も右側に寄る (最頻値) のが のとき
である。ただ 三つの分布の広がり(分散、標準偏差)は 大きく異な り、 これらの分布のどれが好ましいかは、 単純比較できないことがわかる。は大儲けする可能性もあるが大博打であり、 と は 全体を見るとピークの位置の違いは誤差の範囲のように見え、この 2 つであれば多くの 投資家 が 𝑥=0.17を選ぶのではないだろうか。
このように、毎回の賭け金比率 を 変化させる手法は分散の変化が大きく、最頻値 、中央値の選択よりもリスクの選択の問題になってしまう。を変化させても 分散を同程度に保ちながら分布の形を変化させて、好ましいものを選択するような方法をとることはできないだろうか。